『天才論』
天才論―ダ・ヴィンチに学ぶ「総合力」の秘訣 (朝日選書 818)
- 作者: 茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/03/16
- メディア: 単行本
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東京青山同窓会の新人歓迎会に行った際に、帰りの列車を待つ東京駅の新幹線ホームで読み終わった。あんな所で読み終わった本も珍しい。
茂木健一郎へのインタビューを本にまとめたもの。そのせいか、厚みの割には分量は少ない。やたら注が詳しいなと思ったら、それは編集者が後でつけたものだ。まあ、インタビューを本にするというのも、茂木健一郎ならばありかなと思う。この方は、そうしたインタビューや対談においてその創造性が特に現れてくるような気もする。
- 大学に入ったか入らなかったか、どの大学に行ったかということで人が区別される時代は、そろそろ終わるのではないでしょうか。福澤諭吉に倣えば、「学歴社会は親の敵で御座る」という時代が来るのも、そう遠いことではないように思います。/いま残されている、大学に行く唯一の意味は、人に会うことです。(p132)
- いまの高校生は、一五〜一八歳というもっとも脳髄が活発に働く貴重な時期を、「ここまでしか勉強してはだめ」という談合的世界に閉じこめられ、偏差値という人工的な値で個人を測る競争に時間を費やして、「受験から解放されて本格的に知を吸収する場」ということになっている大学に入ったときにはもう、燃え尽きている。/時間とエネルギーの浪費をしたあげくに、知への欲求までそいでしまう、こんな愚行がほかにあるでしょうか。(p139)