生徒の顔の変わる瞬間

 今日は8組の現代文、1組と4組の古典の合わせて3コマであった。

漢文の返り点演習

 古典の方は、漢文の返り点の説明と練習。4組では返り点を生徒につけさせて隣の生徒に出題するという演習をやった。さすが4組で、生徒たちはしばらく無言で作業に取り組んでいたが、問題を交換しあって解き始めると、そこここで「できないよー」などの声が上がる。よしよし、そうでなくっちゃね。いつも通りのよい反応で、やりがいがあるなぁ。

羅生門も大詰め

 羅生門の授業もいよいよ大詰めになってきた。8組はクライマックスの部分を扱った。この箇所では「黒洞々たる夜」の印象について、最初のものを、授業を受け終わった後で変革できるかという点がポイントである。そのような形で授業をデザインした。残念ながら今日はそこまで進むことができなかった。しかし、たくさんの生徒に指名したな。ほぼ半分以上である。
 その中で、下人がにきびから手を離したことについて、迷っていた下人が決断をしたのだ、ということを生徒の読み取りから引き出した。その後で、要の質問の一つをする。「下人は老婆の着物を奪うだけで、老婆の持つ髪の毛を奪わなかったのは何故か?」というものだ。この質問をした時、私の正面にいた生徒が「あーっ」というような顔をした。彼女はおそらく分かっただろうか。何かが彼女の頭を打ったのだろう。そう、この質問は下人の決断というものをよく理解させてくれるものなのだ。
 ある質問をすることにより、生徒の意識が変容する。それまで気づかなかったことが分かる。あるいは分かりかけていたもやもやしたものがはっきりと形を取る。こうした経験(「アハ!体験」というそうな)をすることによって、脳は活発に働き、活性化する。そうした仕掛けを授業で行うことができればいいね。こちらの意図したことに、この生徒はうまくはまってくれたようだ。
 さて、明日は同じ箇所で、別のクラスで授業公開を行う。教育実習生が来ているので、少しでも参考になればと思う。もっとも、国語の実習生は、今年はいないのだけれどね。さて、この「アハ!体験」を別のクラスでも起こすことができるかな?