冗談と真面目

 今日は8組の現代文1コマのみであった。
 進度は意外に遅れていた。先週の2組といい勝負である。まだ展開部の問題を残している。そこで、「老婆=伯母フキ説」を紹介したり、「猿の親が猿の子のしらみを取るように」の表現の印象や、「松の木切れ」の意味合いなどを指名して確認しながら説明する。「伯母フキ説」の紹介で、生徒から「えー、うっそー、かわいそー」などの声がささやかれていたので、これは反応がいいな、と思った。
 その後は山場の部(1)の読み取り。ここは音読をさせると面白い箇所である。下人の台詞は生徒に演技力を要求する。8組の生徒(男子)はなかなかいい演技をする。颯爽とした下人で、なかなか良い。老婆は大変。「鴉の鳴くような声」とか「ひきのつぶやくような声」(どんな声だ?)と指定があるので、生徒にそのように読んでみよう! と声をかける。鴉の方はずいぶんかわいい鴉だったが、「ひき」の方はなかなかそれらしい声で演技してくれた(女子)。いやぁ、楽しいね。
 そして、老婆を捕らえる前の「憎悪の心」と捕らえて、老婆の行為の理由を知った後の「憎悪」との違いを考えさせ、指名して板書させた。8組では、前のものは正義感であり、後のものは老婆個人への憎悪だと、一応違いが分かるような解答が出た。なるほどね。そこで、後の憎悪が侮蔑によるものだと説明しつつ、だからこそ老婆個人への憎悪になるのだ、と解説した。今日はそこで終わり。
 授業で生徒を笑わせるのは私の理想の一つである。1時間で1回くらいは生徒を笑わせたい。なかなかそれができないのだが、今日の箇所は冗談やらオーバーアクションやらを交えつつ、笑わせることができた。満足、である。