特編B3日目

 特編Bも3日目である。今日は富山大学教育学部の随筆の問題を解く。もちろん私自身も解いているのだが、解答例を見た時に愕然とした。あまりに自分の答えと違っていたからだ。しかし、逆に言うと、この問題は国語の入試問題のある一面を知らしめるのに好都合の問題だなと思う。そこで、その点を中心に解説する。

「国語の入試は出題者とのコミュニケーションである」

 その点とは、「国語の入試は出題者とのコミュニケーションである」というものだ。出題者は自分たちなりの解答をイメージして問題を作っている。そして、その解答が受験生によって書かれるように誘導をする。その誘導が「設問文」である。従って、受験生はその設問文の指示・条件に注意して、そこから出題者の狙っている解答の像を推定しなければならない。そして、その解答イメージに沿った解答をしない限り、得点を稼ぐことはできない。つまり、出題者の出題意図に沿った解答をせよ、ということだ。
 記述式問題でなかなか得点が伸びない最大の要因はこれではないかと思う。入試問題は、ある意味では一方通行のディス・コミュニケーションの場である。しかし、出題者の意図が示されている設問の場合、それは出題者とのコミュニケーションを図りつつ、解答をすべきなのだ。生徒諸君には、入試問題を解答するという行為は出題者とのコミュニケーションである、という事実をどうか理解して欲しい。ただし、このコミュニケーションは修正の利かないものだから、解答するこちら側が最大限配慮して、相手の意図に沿う、という方向しかない所が難点である。
 ずいぶん窮屈な行為だが、しかし考えようによっては、これは大切な勉強である。学問というのは、まずは相手の主張を正確に理解することから始まる。相手の主張・意見を正確に理解した上で、その良さと欠点を批判的に検討し、その上で自分自身の主張を構築する。これは非常に大切なことだ。相手の主張を正確に理解せず、こちらの思い込みで理解したつもりになって、相手を攻撃したとしたら、それは「学問」ではない。単なる「ケンカ」である。学問をする上での大切な基礎的態度を身につけるためだ、と考えれば、受験も決して単なる点数の取り合いゲームに終始することはないだろう。

相変わらずの出席率

 今日の我が8組は、昨日よりは欠席者が少なかったものの、それでも朝の時点で8名もいなかった。まあ、そのうち4名はちゃんとした理由のあるもので、残り4名が、(-_-メ) である。さらに1人は途中で消えるし、全くBになってから出席状況がままならないのは非常に悲しいというか、許せないというか、残念である。特編Bは2次試験向けの勉強になる内容のものだし、仮に自分の試験科目にない授業でも、教室にいて他の勉強をしている者はいくらでもいる。我々教員もその辺の事情は知っているから、何も言わない。だから、学校に来て勉強をすべきなのに、一体何を考えているのだろう。自分で勉強ができているつもりなのか。もうセンターの出来の悪さから、投げかかっているのか。うーん、情けない。

センターリサーチ報告会

 午後から、ベネッセ・駿台代ゼミ河合塾の各予備校によるセンターの結果についての報告会が行われた。我々担任団は進路の先生方と協力して、各会場に分散して出席する。私は代ゼミの報告会に行った。場所は東映ホテル。入口の目の前に代ゼミの校舎がそびえる。うーん、ここにお世話になる者が、どうしてもいるだろうなぁ……。おっ、不吉なことを。
 約2時間ほどの説明であった。今回のセンターはやはり難しかったらしく、全体的に得点が押さえ込まれている。特に中間層が影響を受けている。従って、各大学のボーダーラインも下がっている。代ゼミの説明では新潟大学に関する説明が非常に詳しかった。また、他2社とのボーダー予想の比較もしており、なかなか面白かった。代ゼミは概して高め(つまり厳しめ)である。本校の場合、代ゼミの判定はセンター試験のみのものである。他2社は記述模試の得点を加味して、総合判定を出している。しかし、それらの記述模試は10月段階のものである。現在、彼らの2次学力は多少は上がっているだろう。従って、総合判定はどうなのだろうね。センターのみで、厳しめの代ゼミのボーダー予想と判定が信頼できそうな気がするが。まあ、3社の結果を総合判断することになるが、データがたくさんあって、よく分からん。

『先生はえらい』

先生はえらい (ちくまプリマー新書)

先生はえらい (ちくまプリマー新書)

 しかし、恐ろしく貧弱な読書量である。今年に入ってから、この本が初めての読了か。こりゃまずいね。いくら忙しいとはいえ。
 というわけで、非常に話題になった本である。そして、非常に面白く、また考えを新たにさせられた本だ。コミュニケーションの本質、そしてそこから導き出せる教師のあり方など、大変興味深かった。
 内田樹は注目すべき著者である。ブログも公開されているが、こちらもなかなかに面白い。