源氏物語「夕顔」の授業

 「夕顔」の3時間目。源氏が夕顔を好ましく思う場面を扱う。彼が夕顔に対して「らうたし」という表現を使っているのが注目される。例えば「うつくし」が視覚的な美しさ・かわいらしさであるのに対して、「らうたし」は心理的な美しさ・かわいらしさである、と説明した。そのことにより、源氏が夕顔のおとなしさ・おっとりとした感じを愛し、保護者的な愛情を抱いていたことを明確に意識させようとしたのである。彼が今までつきあっていたであろう女性たちとは全く違ったタイプの女性であったのだ。のめり込むのも「うべなるかな」である。
 さすがに文系クラスだけあって、快調に進度は進む。こちらの予習が間に合わなくなりそうだ。それでも時間数が少ないからなんとかなるけれど。
 それでも「〜せば……(  )」にはどんな表現が入る? という質問には誰も答えられなかった(18人くらいに聞いたのだけれど)。うーむ、こうした基本的表現の定着がまだ足りないのかな。