「高瀬舟」の授業5

高瀬舟」もいよいよ最終時間となった。
高瀬舟縁起」と「翁草」を朗読し、鴎外が小説に含めようとした2つの内容についてまとめさせる。次に、それは執筆動機であることを示し、2つの内容をつなぐモチーフを考えさせる。喜助が「晴れやかな」顔をしていたことと、弟が「晴れやかな」顔をして兄の決意を喜んだことを関連させ、喜助の晴れやかさには弟の願いを叶えてやった満足感があるのではないか、と示した。


次に、生徒に「お奉行様」の立場を取らせ、庄兵衛の質問状を受けて、喜助への判決文を書くというレポートを課した。初発の感想で、生徒には喜助への同情意見が多いことを受け、それとは反対の立場に立って立論させようというわけだ。そのために、安楽死の反対意見としての参考資料を配付し、これを使って反対理由を1つ挙げて、その具体例を考えさせる。それらをまとめさせる構想メモを用意して配布した。これを元にして500字前後のレポートとしてまとめさせた。時間が十分無くて、次時までの宿題とした。果たして生徒はどんなレポートを書いてきてくれるだろうか。