「高瀬舟」の授業2

高瀬舟」の読解は第2段階に入った。前回の授業で線引きをさせた箇所を手がかりにして、用意した設問を考えるのに必要な情報を1つ1つ挙げさせていった。


 第1段で、高瀬舟の護送が同心仲間に嫌われていた理由を考えさせた。これは、同心がどんな仕事をしていたのかが分かる部分を挙げさせて、それを手がかりにして考えていった。また、奉行所の役人がどんな仕事をしていたのかが分かる部分を挙げさせた。
 これらから、同心と役人との、罪人に対するスタンスの違いを読み取らせた。これはまさに「お役所」と「現場」の葛藤だ。これが、終結部の「お奉行様に聞いてみたくなった」につながっていくだろう。


さらに第2段の、庄兵衛が不思議に感じた喜助の様子を挙げさせた。そして、この不思議を解き明かすことが、第3段・第4段の内容になるし、小説世界を動かす力になっていくことを示した。