「平家物語」の授業2

祇園精舎の暗誦は次第に佳境に入ってきた。生徒には早い者勝ちで言いに来るよう伝えてある。今日は約10名ほどがパスした。明日は一応の締め切り日である。残り110名はどのくらい言いに来てくれるか、楽しみだ。といっても授業時間をつぶすつもりはない。授業として取るのは10分間のみ。あとは休み時間に言いに来るよう伝えてある。まあ、もう1回くらいは授業中に10分間を取って、言いに来させてもいいだろう。


1クラスは「木曾の最期」に入った。といっても教科書に載っている部分を私が一気に読んだだけである。しかし、その時の生徒は「ほーっっ」という顔をしていた。細かい部分はわからないものの、義仲の死ぬ場面や兼平の自害などはわかったのだろう。良い表情をしていた。授業後にある生徒が、巴が落ち延びる場面について質問しに来た。ストーリーの流れを理解できている証拠である。良いものだ、平家物語は。教科書に掲載されている部分の前の箇所をプリントにして、読ませてみよう。そこには義仲と兼平との暖かい交流や、義仲と巴との関係が書いてある。それらを踏まえて、「木曾の最期」を楽しんで読んでいきたい。