入学式、そしてオリエンテーション
本学は昨日(4日)が入学式だった。地方私立短大なので、教員は全員が入学式に参加できる。早速、フレッシュな新入生に会うことができて、嬉しいことである。また、式次第の中で「学園歌披露」というものがある。ブラスバンド部の伴奏で、学生有志が学園歌を式の中で歌うのだ。このメンバーに、教員有志も加わって歌う。私は昨年からこの中に加わり、学園歌を歌っている。今年も、他の教員と一緒に加わって、思いっきり学園歌を歌った。いいものだ。声を出すということは、何にせよ良いことだ。また、学生たちと一緒に歌うので、彼らの歌声に我々も乗せられて、歌声を重ねることができる。気持ちのいい瞬間だった。
今日からはオリエンテーション期間である。来週の水曜日まで、1週間かけてオリエンテーションを行う。今日は学則の説明と、幼児教育学科の専任教員の紹介などを行なった。我が幼児教育学科の教員は13名。それぞれがとても個性豊かな教員たちだ。学科長の挨拶の後、一人一人が自己紹介をしていった。もうこの自己紹介が、一人一人個性があり、笑いを誘ったり、手遊びをしたり、ウクレレを弾いて歌ったりと、大変に楽しい時間である。緊張気味だった新入生たちもみるみる笑顔になり、表情が柔らかくなった。我らが誇る教員紹介の時間である。もちろん、新入生たちはすぐには名前を覚えることはできないだろう。それでも、幼児教育学科の楽しい雰囲気を、この教員紹介の時間を通して少しでも味わってくれれば、オリエンテーションを運営している者として嬉しい限りである。
さて、オリエンテーションはまだまだ続くのだが、自分自身はそろそろ授業の準備をしなければならないな。今年は他の短大での非常勤を前期に引き受けることになり、国語表現の授業が1つ加わることになった。本学でも同様の授業を持っているが、こちらは通年で、少々変則的な時間で実施している。内容は似ているが、形態がだいぶ違う授業となるので、どのように展開していこうか、思案のしどころである。私の新しい挑戦として、いろいろ考えていきたい。
新年度のスタート
今日から本格的に新年度がスタートした。今日は、午前中に教授会があり、新任者の紹介があった。3年前を懐かしく思い出した。あの時は本当の意味で右も左も分からない状態だったが、4年目を迎えた今は、少し図太くなったかなぁ。今年度からは新校舎が出来上がり、オリエンテーションが終われば授業で使うようになる。新校舎は、さすがに綺麗だ。中央に大きな吹き抜けがあり、各教室もアクティブ・ラーニングを主体とした授業がしやすいような作りになっている。多くの教室が廊下側はガラス張りになっている。開放感のある学びの場である。ここで、どんな学びを展開できるか楽しみである。
午後からは学科会議があった。今年度の進め方について、打ち合わせと確認がされる。その後は、明日の入学式・新入生オリエンテーションの準備である。新入生のための資料を配布し、新しい学生たちを迎え入れる準備は整った。
さて、校舎は新しいものができ、入学式を控えて準備は整った。私自身といえば、相変わらず環境の変化に時間のかかる性格を反映して、まだ心構えが十分に切り替わらないでいる気分だ。それでも、走り出すうちに次第に心身も整ってくるだろう。新しい挑戦もいくつか考えている。どんな1年になるかなぁ。
模擬授業の準備
今月は、今年のまとめや来年度の準備などとともに、高校での模擬授業に呼ばれています。明日、行ってきます。今日はその準備などをしていました。
高校での模擬授業はこれまでに何回かこなしました。幼児教育の内容で、短大での幼児教育向けの授業の体験をさせて欲しい、という依頼がよく来ます。私はこれまでには、子どもの言葉の発達段階を取り上げ、それらの段階で子どもにどう関わるべきかを考えるという体験をさせていました。しかし、今年の授業でブッククラブを体験させたり、絵本探究の授業で絵本について調べさせたりしたので、これからは「絵本の読み聞かせ」を体験する内容にしようと考えています。今回は、「対話型読み聞かせ」体験のミニチュア版を試みます。
内容は、最初に子どもの言葉の発達段階のごく概略を話し、また子どもにとっての絵本の重要性について説明します。その上で、絵本の対話型読み聞かせの体験をさせます。10種類の絵本を用意しました。それを選ばせ、対話型読み聞かせの方法を簡単に教え、実践してもらおうというわけです。10種類の絵本は、いろいろ調べて以下の10冊にしました。
- 作者: マリー・ホール・エッツ,まさきるりこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1963/12/20
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- 作者: マーシャ・ブラウン,せたていじ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1965/07/01
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- 作者: モーリス・センダック,じんぐうてるお,Maurice Sendak
- 出版社/メーカー: 冨山房
- 発売日: 1975/12/05
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- 作者: 佐野洋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/05/22
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- 作者: トミー=アンゲラー,いまえよしとも
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1969/12/16
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- 作者: マルティンバルトシャイト,Martin Baltscheit,かのうのりたか
- 出版社/メーカー: フレーベル館
- 発売日: 2007/10
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- 作者: 瀬田貞二,林明子
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ロバのシルベスターとまほうの小石 (児童図書館・絵本の部屋)
- 作者: ウィリアムスタイグ,William Steig,せたていじ
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 2006/03
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- 作者: 竹田津実,あべ弘士
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2004/08
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- 作者: 長谷川集平
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これらは、岩瀬直樹さんのブログや名古屋市図書館のWebページを参照しました。ありがとうございました。
さて、高校生たちはこれらの絵本を読んで、どんな感想を持ってくれるでしょうか。また、どんな読み聞かせを展開してくれるでしょうか。楽しみです。
また、「対話型読み聞かせ」を体験させることで、国語の学びにもなると考えます。何しろ、絵本の内容を読み手に考えさせる質問を作るのですから、絵本の内容・意味をしっかり考えねばなりません。ですからこの授業は、読み聞かせを表のメインとしながら、裏のメインは国語の学びをさせるということにあります。はてさて、どうなることやら……。
胎動、そして期待
久しぶりのブログの更新です。今年度はいろいろな刺激を受け、ブログをしっかり更新していこうと思っていたのですが、1年の終わりにふり返ると、やはりそんなには更新できていませんでしたね。以前よりも更新のエネルギーが湧いてこないのが最大の原因ですが、授業のあるときは、あまりの忙しさのためにブログが更新できませんでした。今、ようやく様々な仕事の山を越え、一息つける頃となりました。
この時期、新たに取り組もうとしていることがあり、そちらにも十分時間をかけたいところです。これはしかし、英語の文献を読まなければならないこともあり、なかなか進ませることができずにいます。とりあえずは日本語の文献をしっかり読んで、その上で英語の文献を探索すべきかなぁ。あまり時間の余裕もありませんし、こちらはどんどん進めていきたいですね。
他にも、今年の研究活動のまとめをしたいです。今年は初の試みとしてブッククラブを授業に取り入れました。その結果をまとめたいと思っています。ブッククラブの効果については書籍や文献などに言及されています。しかし、それを定量的に、あるいは質的に、分析したものはあまり見受けられません(英語圏の文献にはあるのかなぁ…)。私の授業では、ブッククラブの授業の前後にアンケート調査を実施し、さらに終了後にはレポートを書かせました。それらを量的に、また質的に、分析したいと思っています。アンケートの文言を基にしたテキストマイニングを、別の論文を書くときに試してみたので、その手法を使ってみようと思います。テキストマイニングは決して万能ではないことがわかりました。しかし、アンケートの文言のいくつかを拾い上げてこれこれの結果が出た、と言い立てるよりは、はるかに客観的な結果を提示できると考えています。
来年度への仕込みもしたいですね。来年度の新しい試みとしては、ライティング・ワークショップを授業にしっかり導入しようということです。私の「国語」の授業はワークショップを取り入れているのですが、その内容はリーディング・ワークショップの方に大きく偏っています。あの授業では、本を読むことの楽しさを知ることはできても、文章を書くことの楽しさは味わえないだろうなぁ、というのが、3年間実践しての反省です。そこで来年度では、ライティング・ワークショップを年間通して授業に取り入れ、学生に作品をどんどん書かせたいと思っています。そのための仕込みをしなければなぁ。
他に、様々な関わりも増えてきました。今年度は新潟県高教研図書館部会でリーディング・ワークショップの体験講演を行いました。これは、私にとって大きな意義がありました。リーディング・ワークショップもライティング・ワークショップも、何より経験してみなければ指導できません。私の経験値を積み重ねることに役立ったと思います。また、ビブリオバトルについても私に照会があります。幸い、昨年度と今年度に学生にビブリオバトルをさせることができ、こちらの経験値も多少は積んでいます。少しはお役に立てるかなと期待しています。
さらに、今年度に行ったリーディング・ワークショップの公開講座は、私にとって計り知れない影響がありましたね。これの続編を来年度も行おうと構想を練っています。実現できるといいな。
ということで、様々なことが胎動している今日この頃です。これらが実を結んでくれることを願っています。
絵本の読み聞かせの実践
時機を逸しているのも甚だしいですが、明けましておめでとうございます。2017年になって最初のブログ更新です。本当はもっと書きたいことがいくつかあるのですが、時間をなかなか取ることができず、更新が滞ります。ただ、無理をしないでやっていこうと思います。もちろん、発信することの重要性はよく心得ておりますので、頑張って発信していきます。
さて、私の担当する授業では絵本の読み聞かせを進めています。昨年末に「絵本探究」の授業をし、絵本の作者や時代背景、絵の魅力や特徴を学生自身に調べさせ、発表させました。その内容を受けて、今度はいよいよ読み聞かせを実践していきます。読み聞かせの方法について確認した後、学生に自分が読み聞かせたい絵本を選ばせ、それを3〜5人のグループ内でお互いに読み聞かせ、自己評価・他者評価をさせます。こうすることで、少しでも絵本の読み聞かせに自覚的になり、他者の読み聞かせ方を通して自分の読み聞かせについてメタ認知してくれればな、と思います。また、様々な絵本を知る機会にもなるでしょう。
自己評価・他者評価をさせるにあたり、設定した評価項目は以下の通りです。
- 絵本の持ち方・見せ方:絵本を見やすいように持っていたか、読む途中でプレたりしないか
- 声・抑揚・スピード・間:お話の内容・展開を考慮して、読むスピード、抑揚、声色、間など、工夫していたか
- 聞き手の反応への対応:聞き手の方を見て、聞き手の反応に応じて読み方を工夫していたか
- お話の伝わり方:総合的に見て、お話の内容・ストーリーが聞き手に伝わったか
これらの観点ごとに5段階評価をします。最高20点になります。これを、まず自己評価し、次に友人たちと相互評価させました。
学生たちは楽しそうに読み聞かせに取り組んでくれました。
最後に、各グループで上手に読んだ人を選び出してもらい、その中から3人にみんなの前で読み聞かせてもらいました。自分から名乗り出てくれたクラスがあり、嬉しかったです。
学生たちのふりかえりでは、自分自身の読み聞かせに対する反省と自負、また友人たちの読み聞かせから学んだことがよく書かれていて、よい学びができているとうかがわせるものでした。
残り2回の授業では、紙芝居の演じ方に取り組みます。ほぼ同様の方法で、学生たちに紙芝居も実践させます。
絵本探究の授業④:ポスター発表会の実施
今年も今日で御用納めですね。私も、今年で大学に出るのは今日で最後にします。このブログは私が高校教諭時代から書き始め、毎日のように更新していたのですが、短大に場を移してからはなかなか更新できずにいました。それが、今年はだいぶいろいろなことを書けたように思います。これからも自分の研究や授業実践について、できるだけ書いていきたいと思います。
さて、先週の授業では絵本探究の発表会を行いました。そもそも、この絵本探究の授業は以下のようにして4回にわたり行いました。
第1週 6種類の絵本を全員が読み、気づいたことをまとめる。
第2週 自分が深く探究したい絵本を1種類選び、同じ絵本を選んだ学生とグループを組んで、探究する内容を分担して探究を始める。
第3週 各自が探究してきた内容をポスターにまとめて、ポスター発表の準備をする。
第4週 各グループによりポスター発表をし、相互評価する。
先週はこの第4週でした。学生たちは何とか時間を都合して、横に置いた模造紙2枚を上下に貼り合わせたポスターに自分たちが探究した内容をまとめてきてくれました。1種類の絵本に対して2グループが(原則として)ありますので、発表を前半と後半に分け、それぞれ25分間でポスター発表会を行いました。教室の壁6箇所に張り巡らされたポスターはなかなか壮観です。学生たちはそれぞれ、いろいろに工夫してきてくれました。
私は彼らのポスターのすべてを見ました。確かに、まだまだ情報量は少ないでしょう。そして、「探究」と呼ぶにふさわしい深みまで調べていたかというと、まだまだかもしれません。しかし、これらの絵本についての情報をほとんどもっていなかった彼らが、この授業を通してここまで絵本の作者や時代背景や内容について調べ、考え、まとめたことを素直に評価したいと思います。学生たちはとても良くやってくれました。
また、この発表会を通して、自分たちが選んだもの以外の絵本についても様々に知ることができたのではないでしょうか。第1週で学生たちは6種類すべての絵本を読んでいます。ですから、各グループの発表を聞くことで、自分たちが読んだ絵本のさらに深い内容を、同じ学生同士で教え会うことができたわけです。この意義は大きいと思います。
この授業を通して、学生たちは絵本について少し認識を改めてくれたのではないでしょうか。今、この授業への感想を含むレポートを課していますので、そこでの彼らの声が楽しみです。自画自賛ですが、よい授業ができたと思っています。
ゼミ生の研究は進んでいるのかな
今日は2年生のゼミがありました。2年生はゼミ生の中でグループを組んだり、個人で取り組んだりして、自分の研究に取り組んでいます。私はゼミの運営をかなり自由にさせているので、学生は楽しそうにゼミの時間を過ごしていますが、そのツケが今、回ってきているようです。そろそろ研究のまとめをしていかなければならないのですが、進んでいるグループも停滞しているグループもあり、悲喜こもごもです。
今年もゼミの運営はあまりうまく行っているとは言えません。停滞しているグループがいるということは、私の彼らの研究指導が不十分だということを示すのでしょう。折に触れて指導はしているのですが、まだ詰めが甘いのでしょうか。ゼミ運営については、今年で3年目になるのですが、なかなかうまく行きません。
ただ、今年は彼らに作成させるポスター資料について、先日紹介した言葉指導法Ⅰの授業での方法をゼミ生にも紹介することで、今までよりもヴァージョン・アップさせてやれそうだという見通しは付きました。少しずつ少しずつ前進、というところでしょうか。